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アウトプットの練習

【Hulu】Rubber

Rubber Film

一言感想:no reason
満足度:35 / 100

荒野に打ち捨てられた古タイヤに命が宿ってうろうろして、何故かタイヤはサイコキネシスが使えて人の頭をふっ飛ばしまくる映画。
大まかな映像はそれ以上でもそれ以下でも無いシュールなモンスターパニック物?と見せかけておいてアバンギャルドな芸術作品。

映画の冒頭で警部補の男が、

みなさん
名作映画の様々な要素には理由などない
なぜなら人生の様々な要素にも理由など無いからだ

この映画は理由なきことへのオマージュだ
”理由がない”ということこそが最強の表現なのだ

というようなことを視聴者に向かって説明し始める。 大まかな話(タイヤが人を襲う)は見る前からわかっているので「何言ってんだこいつ、言い訳かよ」と言いたくなる。 しかしいざ始まってみると内容は皮肉とメタ要素満載で、タイヤが人を襲うのは”理由が無い”ということの表現でしかなくテーマは別にあるということに気付く。

タイヤの動向を双眼鏡で眺める群衆は映画というコンテンツを消費している大衆のオマージュで、中盤わかりやすい娯楽(毒入りの七面鳥)に流れて死んでいく(クソ映画を見るのやめちゃう)。 使用人の男も大衆から搾取するコンテンツ提供者のオマージュのようだし、一人生き残ってクソ映画(タイヤ)の行く末を見届けながら展開にケチを付ける車椅子の男は批評家気取りの映画オタクのオマージュのようだ。 警部補の男は理由なき惨事に嫌々ながら付き合っているようで、観客さえ居なければこんなことやめちまえとでも言いたい様子。これは映画製作者のオマージュ。

最後には無敵のタイヤは周囲の人々を全て爆殺し、仲間のタイヤを引き連れてハリウッドに殴りこみを掛けるところで映像は終わる。 エンドロールと共に冒頭の理由が無いことの説教がまた入る。

言いたいことはなんとなく分かるんだけどにわか映画好きにはちょっと言語化が難しいです。
現代アートというか説教臭いというか・・・。美術の教科書に載ってたデュシャンの「泉」を見て「なんだこれ、便器じゃん これが芸術なの?」って思った時のような感覚。 バカ映画だと思って見ると芸術・表現とはなんぞやみたいなテーマを暗に語られるので目を丸くするしか無い。
いや口で説明しちゃってるから暗にじゃないな。

面白いは面白いんですけどね 、個人的には映画はただの娯楽だと思いますよ。
人には絶対オススメできないし、この映画めっちゃ好きとか言う人がいたら「うわ、サブカルかぶれかよ」って考えちゃうと思う。 なんやかんやで心には残るので成功なのかなー。

ネットの批評を見てみると、これだけ直接的に映画業界を皮肉ってるのに「タイヤが人を殺すだけのクソ映画」っていう前提でこの映画について言及されてることが多いみたいでなんだかなーという気分。 コレぐらいの皮肉やメタファーも分からない人が居るのも事実だし、分からない前提で煽り文載せる配給会社もあのメガネそのものだ。

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